成年後見人~司法書士は何をしてくれる?

身上監護と療養看護

財産管理に匹敵する重要極まりない業務がもうひとつあります。

成年後見人は大切な資産を守ること以外にも、被後見人が健康的に人生をエンジョイ するお手伝いをぬかりなく行ってくれます。 介護施設や福祉施設を利用するのなら、本人に代わり手続きをしたり費用のお支払い の段取りをしてくれるので、最初に難しい案内の説明を施設の担当者から聞かされて 「はい、はいわかりました(よくわかんないけど)」と生返事を繰り返さなくても 契約を結ぶことができるのです。 簡単な決まりごとなどは被後見人自身も覚えておかなければならないでしょうが、 金銭に関することや契約の話になると上の空で聞き流したくなってしまう、もしくは 頭に入らないし理解できないというのが認知症の特徴です。 ですからそうした施設への申し込みや手続き、支払いなどを代行してくれる人が いないと安心してそこを利用することがむつかしいのです。 これは誰にでもできそうなことですが契約書類を隅々まで確認して疑問点があれば 即座に質問をする、その能力に長けている司法書士や弁護士がやってくれるのなら 大船に乗ったつもりで任せられるでしょう。 ごく普通の病院でも同じように仕事をしてくれ、初診時の予約や通院している病院 ならば次回はいつこればいいかといったこと、診察料のお支払いまで一手に任せる ことができ、被後見人は受診するだけで煩雑な手続きからは開放されます。 また入院の必要があるとなったらそれに必要な手続きをしたり、医師の説明を 聞いて適切な書類を取り寄せたり保険会社との交渉を行ってくれます。 入院保険でいくらおりるか、なにを申請すればいいのかなどははっきりいって なんとなく保険に加入しているだけの人はほとんど理解できていません。 それっぽい特約の付いている生命保険に加入しているからきっと毎日何千円かは 手当てがもらえるだろう、そう漠然と思っているだけで細かな条件はほとんど 把握していないでしょうが、成年後見人に選任された人は印鑑や通帳と一緒に 保険関係の書類も預かっているので、内容をしっかり理解できる後見人なら かなり正しい対応をすることができるのです。 入院時の対応次第で保険でおりる金額に違いがでることもありますし、申請の 仕方で大きく上下することもありますからここは結構重要なポイントになります。 知的障害を持つ方や認知症の疑いのある人が入院時の手続きやら説明に耳を傾ける 行為を行うと、どうしても不利になることは否めないですし後から「話が違う、 そんなことは聞いていないよもっと分かりしやすく説明してくんなきゃ。人より ちょっと理解力が足りないだよわたし?」と文句を言いたくなる状況になる可能性 はみんなが思っている通り低くはないでしょう。 病院や施設の手続きではそこそこ経験値の高い熟練者でも、稀にうっかりミスを してしまうこともあるので頼りになる人がいるのならお願いするのが吉です。 契約の達人である弁護士や司法書士の先生を成年後見人に選任されていれば、 その点は間違いなく不安なくドーンと構えていられます。 しっかり意思の疎通を図りコミュニケーションをとっていることが前提となりますが、 被後見人が望む以上の内容で話を進めてくれるはずです。 施設に入居しているのなら更新の手続きや施設への要望も代行してくれますので、 判断能力のある健常者でも依頼したくなってしまうでしょう。 また病院や施設に関する手続きだけでなく、障がいがあり補助金が支給される対象 になっているのならそちら方面のこともちょちょいのちょいでやってくれます。 年金の受給などオーソドックスなことなら皆がやっているし損をすることも 滅多にありませんが、自分が対象になっているか分からないそれらの事だと申請 をするかどうかの判断すらままならず、ゲットできるはずの手当て金をみすみす 取り逃がしてしまっている方も少数ではないのです。 そんなことになりたくなければ法律に詳しい方を選任するのが一番で、だからこそ 司法書士や弁護士を成年後見人にと考える方が増えているのでしょう。