成年後見人~司法書士は何をしてくれる?

財産管理

これは司法書士や弁護士さんが得意な分野でしょうね。

成年後見人は本人の代わりに財産を管理します。 管理とはどこまでのことか、詳しい線引きはケースバイケースなので一概にここ までですよというのはありませんが、ほぼ全てを任されることもありますので 結構重要な業務となるでしょう。 所有している不動産の管理はありきたりですし通帳や印鑑の管理も普通にやるべき ことのように思えますが、もっと細かなことまで管理するので結構大変な仕事量 になることが多く、さぞかし大変だろうと労ってあげたくなります。 例えば電気代の引き落とし、水道料金の引き落としなんかも成年後見人の管理 すべき事柄になりますし、同じくガス料金もです。 もしも口座の残高が不足して引き落とされないような事態が発生したら、それは 成年後見人の責任となるので監視の目を光らせておかねばなりません。 新聞をとっているのならその支払いも、朝刊だけでなく夕刊もなら両方を滞りなく 支払うことも業務には当然含まれています。 その際成年後見人を任されている方が、「私は読売新聞と日本経済新聞を読んでる からあなたもこれにしなさい、絶対面白くて読み応えがあるからお勧めですよ」 と勝手に他の新聞に変えることはあまり好ましくありません。 それまで何年、何十年と同じ新聞を読んできたのでしょうから、別のタイプに されると毎朝、そして毎夕困惑してしまいます。 被後見人が心の底から同意しているのなら別ですが、立場を利用して押し付ける ような真似をしてはいけないのです。 援助してもらっているから断りにくい、その心理につけ込んで何かを強要する のは人として間違っていますし、財産を一括で管理する立場にある成年後見人が そんなことをしたら、被後見人は誰も信用出来なくなってしまいます。 それまで本人とは会った事もない、全く面識がないし嗜好も思考も把握していない 第三者を選任する場合は、そこそこの人格者でなければトラブルを起しかねない のでよく吟味してからにしましょう。 通帳と印鑑を預けるので慎重になりすぎるということはありませんし、それ以上に 価値があるかもしれない不動産の権利書や有価証券もですから本当に信頼できる 相手をみつけないとおちおち認知症にもなっていられません。 そこまで大きな額ではない支払いも多いので、まめに熱心に仕事をしてくれることも ポイントにはなるでしょう。 電話料金の支払い、携帯電話の料金の請求をしばらく放っておいて滞納してしまい、 不通になったらちょっとした騒ぎになってしまいます。 ひとりでは自立して生活できないとみんなに心配されている方に、電話をかけたら 呼び出し音が鳴らずに不吉なアナウンスが流れてくるわけですから何事なんだと 事件めいたことを想像させてしまうでしょう。 ご近所さんなら自宅まで駆けつけて無事かどうか確認にいけますが、遠くの親戚 がそんなアナウンスを聞いたら警察に連絡するかもしれません。 他に手はないからそうするしかなく、警官が出動したとしてもこれは親戚を 責めることはできません、むしろ心配してくれたことに感謝です。 そんなちょっとしたミスで騒動を起しかねないので、生活する上でほぼ必須の 公共料金やその類の支払いはおろそかにできないのです。 被後見人は全部任せるつもりで通帳を預けるのですから、その期待には100% の力で応えなければ恥ずべきことでしょう。 また本人に代わり遺産分割に関する家族会議に出席することもあります。 本人は判断能力が低下していますし手続きもけっこう面倒ですが、司法書士なら これは楽々と消化できる事案です。 弁護士でも遺産相続には詳しいでしょうから、全てを任せることに一切の不安は ありませんよね。